2017年07月24日
やられっぱ
今季、落とし込み初戦。
濁りが入ったっぽいんで行ってきた。
濁りが入ったっぽいんで行ってきた。
まるで押さえつけられているかのような、重く垂れこめる灰色の雲の下。
予想通り、川は濁流が流れ、海はその茶色と夏の青緑色した潮が混ざり合ったなんとも不健康そうな濁りが入っている。
今年の夏はタコとクロダイを釣って過ごそうと決めていた。
その釣りの合間に、気が向けばフラットや根魚のご機嫌を伺ってみるのもよかろうと。
既に僕の体は度重なる炎天下のデイゲームを重ねたおかげで真っ黒に日焼けしているけれど、アオリイカの始まりが告げる夏の終わりまでに、これらの釣りで焦げ付くしてやろうではないの。
久しぶりに振り出した落とし込みの竿とリール。握った手にはまだ違和感があるけど、今日の釣りが終わるころには馴染んでいるはずだろう。
刷毛でふと塗りしたかのようなベタ凪の海面を見るのはずいぶんと久しぶりな気がする。
いつもは風が強く吹き付けて、波が荒いわけではないけれど、沖合にはウサギが飛んだりと穏やかな海ではないもんな。
カニ桶から取り出したカニを針に付ける。
指をしっかりと挟んでくるカニのハサミ。そのかすかな痛みがなんだか懐かしくて。
探りながら歩く。
仕掛けが中層よりやや下まで入ったところでラインがスッと海中に引きこまれた。
アワセを入れる。
弧を描く竿。
大きい。
竿を立てる。
強烈な引きで絞り込まれる。
ややあって、
竿が天に跳ね上がった。
ハリスが切れた。
足元のスリットに魚が入り、その角で切られてしまった。
以前、ここで落とし込みをやり込んでいる爺さんに教えられたよ。
「ここは掛けることは出来ても、スリットに入られて切られるから獲るのは難しいよ」
ハハハ、その通りになっちゃたよ、爺さん。
でも爺さん、こうも言っていた。
「でもね、ホントに大きいやつはスリットには入らない。自信があるからだろうな。沖へ沖へと泳いでいくんだ。止めようもないほどに力強く。そんなのが掛かったら兄ちゃん、大変だよ」
爺さんはそう言ってニヤリと笑ったっけ。
ぜひそんなのにお目にかかってみたいもんだ。僕の落とし込みの師匠も同じことを言っていた。
「ずっと一定の速度で沖へと泳いでいく。エイじゃないよ。間違いなくクロダイ。そういうのを俺たちは潜水艦って呼ぶんだ。やがてリールのラインが全部出される。それに焦って無理に止めようとすると、あっけなく切られる。そういうのが、いるんだよ」
なんとも夢のある話ではないか。
どうも今日の僕はスリットの洗礼を浴びる運命にあるらしい。
その次のアタリも掛けるけど、同じパターンで、やはり一気に潜られて切られた。
僕もクロダイの引きを知らないわけではない。
落とし込みで自慢できるほどではないけどクロダイは釣ってきた。だから引きの強さからそのサイズは想像はつく。
しかし、今日の魚はデカい。
40クラスではないだろう。一気に壁から引きはがそうとも、竿の曲がりだけで中に入られて切られてしまう。
2号のハリスはひとたまりもない。
この濁りが、なにかとてつもなく良い状況を作り出しているようだ。
でも、そのこの上ない状況に対処できない。
雨が降ってきた。
灰色の雲はいよいよ本気を出してきたようだ。
大粒の激しい雨。
これ、豪雨じゃねえか。
もとより、今日は雨の釣りは承知の上。
どんだけでも濡れてやるよ。
キャップのつばからポタポタ雫を落としながら探り続ける。
ゴツゴツッというアタリであわせる。
弧を描く竿。しかし強くない。
やっと獲れるサイズがきたようだ。
しばらく楽しんでからネットイン。

35センチほどのクロダイ。
もう一匹掛けたれと、釣りあげてからしばらくそのままにしてたら黒鯛が白鯛になってしもうた。
アタリが遠のいた。
先ほどの雨は上がった。
マゴチでもおらんか。
濁りが強いので期待薄だろうけど、とりあえずはキャストしてみる。
ボトムの根をかわした次のフォールで弱いアタリ。
アワセを入れると、ヘッドシェイクがマゴチ確定。
しかし、今日はそういう日らしい。
10mほど寄せたところでフックアウト。
なんてこった。普通にルアーさえもばらすんかい。
やめよ。
クロダイやろ。
中層でティップが一気に絞り込まれた。
アワセを入れるも、再び同じパターンで中に入られて万事休す。
今の突っ込み、ヤバかったなぁ。
この対処法、今度師匠に教えてもらわなきゃ。
その後、獲れるサイズを掛けるも取り込みでタモを入れる直前に針が外れ、これは情けないバラシ。
40センチほどの問題ないサイズだっただけに悔やまれる。
雨は降ったりやんだりだけど、降った時の強さが半端ない。
梅雨の終わりは近いのだろう。週間天気予報がそう言っている。
今日の僕は、その終わりの近い梅雨を全身で堪能するかのように、雨を浴び続けている。
きっとそこには悔し涙も混ざっているけれど。
こんなに大型ばかり掛けたことは今までなかったし、こんなにやられまくったことも今までなかった。
そんな悔しさもなにもかも、全部、この雨が流してくれるんだ。
本気の夏はすぐそこでこちらを見ている。
季節を感じることが風流なのであれば、今日の釣りはこの上なく風流な釣りであったよ。
〈タックル〉
ロッド : 宇崎日新 PRO SQUARE 2WAY クロダイ 4.2m
リール : RYOBI 落とし込みチヌ606D
五日前。
仕事帰りのちょい釣りでタコ狙い。
一匹釣ったら帰る縛りで。
いやね、マリネが食べたいのよ。定番の酢だこももちろん美味しいけど、マリネも間違いなく美味いのだ。
照り付ける太陽は危険な日差し。
とっとと釣って帰らないと、体がヤバいことになりそうだ。
餌釣りでわいわいやっている二人連れにはコアジが釣れている。
ややあってキジハタが掛かったようだ。大騒ぎしてる様子が微笑ましい。
鉄板ラインでアタリ。
感触からおそらくサイズは7,800gほどかな。
食べるには良いサイズじゃ~ん、と寄せてきたら途中で外れてしまった。
Oh , Sit ! !
なんてこったい。帰るタイミング逃した(^^;
今日はなぜか活性が低いらしく、出るべき場所での反応が薄い。
10mほど先の、敷石の際に狙いを絞る。根掛かりのリスクは高いけど、間違いのないスポット。
足元狙うよりも難しいけど、確かに釣れるよね。
浅い根掛かりを外したタイミングでアタリが出た。
よし、イタダキ♪

はい、今日のステージクリア。
まっことすまんが、おんしゃぁ、マリネになってつかあさい。
近くのコンビニで、ノンアルコールビールを喉にぶつけるように一気に流し込んでから帰途に就く。
このクソ暑さを軽く蹴り飛ばしたら、家ではノンではないリアルなビールが待ってるぜ。
〈タックル〉
ロッド:DAIWA TACORALDAS INF72HB
リール:AbuGarcia RevoBigShooter
ライン:PE6号
予想通り、川は濁流が流れ、海はその茶色と夏の青緑色した潮が混ざり合ったなんとも不健康そうな濁りが入っている。
今年の夏はタコとクロダイを釣って過ごそうと決めていた。
その釣りの合間に、気が向けばフラットや根魚のご機嫌を伺ってみるのもよかろうと。
既に僕の体は度重なる炎天下のデイゲームを重ねたおかげで真っ黒に日焼けしているけれど、アオリイカの始まりが告げる夏の終わりまでに、これらの釣りで焦げ付くしてやろうではないの。
久しぶりに振り出した落とし込みの竿とリール。握った手にはまだ違和感があるけど、今日の釣りが終わるころには馴染んでいるはずだろう。
刷毛でふと塗りしたかのようなベタ凪の海面を見るのはずいぶんと久しぶりな気がする。
いつもは風が強く吹き付けて、波が荒いわけではないけれど、沖合にはウサギが飛んだりと穏やかな海ではないもんな。
カニ桶から取り出したカニを針に付ける。
指をしっかりと挟んでくるカニのハサミ。そのかすかな痛みがなんだか懐かしくて。
探りながら歩く。
仕掛けが中層よりやや下まで入ったところでラインがスッと海中に引きこまれた。
アワセを入れる。
弧を描く竿。
大きい。
竿を立てる。
強烈な引きで絞り込まれる。
ややあって、
竿が天に跳ね上がった。
ハリスが切れた。
足元のスリットに魚が入り、その角で切られてしまった。
以前、ここで落とし込みをやり込んでいる爺さんに教えられたよ。
「ここは掛けることは出来ても、スリットに入られて切られるから獲るのは難しいよ」
ハハハ、その通りになっちゃたよ、爺さん。
でも爺さん、こうも言っていた。
「でもね、ホントに大きいやつはスリットには入らない。自信があるからだろうな。沖へ沖へと泳いでいくんだ。止めようもないほどに力強く。そんなのが掛かったら兄ちゃん、大変だよ」
爺さんはそう言ってニヤリと笑ったっけ。
ぜひそんなのにお目にかかってみたいもんだ。僕の落とし込みの師匠も同じことを言っていた。
「ずっと一定の速度で沖へと泳いでいく。エイじゃないよ。間違いなくクロダイ。そういうのを俺たちは潜水艦って呼ぶんだ。やがてリールのラインが全部出される。それに焦って無理に止めようとすると、あっけなく切られる。そういうのが、いるんだよ」
なんとも夢のある話ではないか。
どうも今日の僕はスリットの洗礼を浴びる運命にあるらしい。
その次のアタリも掛けるけど、同じパターンで、やはり一気に潜られて切られた。
僕もクロダイの引きを知らないわけではない。
落とし込みで自慢できるほどではないけどクロダイは釣ってきた。だから引きの強さからそのサイズは想像はつく。
しかし、今日の魚はデカい。
40クラスではないだろう。一気に壁から引きはがそうとも、竿の曲がりだけで中に入られて切られてしまう。
2号のハリスはひとたまりもない。
この濁りが、なにかとてつもなく良い状況を作り出しているようだ。
でも、そのこの上ない状況に対処できない。
雨が降ってきた。
灰色の雲はいよいよ本気を出してきたようだ。
大粒の激しい雨。
これ、豪雨じゃねえか。
もとより、今日は雨の釣りは承知の上。
どんだけでも濡れてやるよ。
キャップのつばからポタポタ雫を落としながら探り続ける。
ゴツゴツッというアタリであわせる。
弧を描く竿。しかし強くない。
やっと獲れるサイズがきたようだ。
しばらく楽しんでからネットイン。
35センチほどのクロダイ。
もう一匹掛けたれと、釣りあげてからしばらくそのままにしてたら黒鯛が白鯛になってしもうた。
アタリが遠のいた。
先ほどの雨は上がった。
マゴチでもおらんか。
濁りが強いので期待薄だろうけど、とりあえずはキャストしてみる。
ボトムの根をかわした次のフォールで弱いアタリ。
アワセを入れると、ヘッドシェイクがマゴチ確定。
しかし、今日はそういう日らしい。
10mほど寄せたところでフックアウト。
なんてこった。普通にルアーさえもばらすんかい。
やめよ。
クロダイやろ。
中層でティップが一気に絞り込まれた。
アワセを入れるも、再び同じパターンで中に入られて万事休す。
今の突っ込み、ヤバかったなぁ。
この対処法、今度師匠に教えてもらわなきゃ。
その後、獲れるサイズを掛けるも取り込みでタモを入れる直前に針が外れ、これは情けないバラシ。
40センチほどの問題ないサイズだっただけに悔やまれる。
雨は降ったりやんだりだけど、降った時の強さが半端ない。
梅雨の終わりは近いのだろう。週間天気予報がそう言っている。
今日の僕は、その終わりの近い梅雨を全身で堪能するかのように、雨を浴び続けている。
きっとそこには悔し涙も混ざっているけれど。
こんなに大型ばかり掛けたことは今までなかったし、こんなにやられまくったことも今までなかった。
そんな悔しさもなにもかも、全部、この雨が流してくれるんだ。
本気の夏はすぐそこでこちらを見ている。
季節を感じることが風流なのであれば、今日の釣りはこの上なく風流な釣りであったよ。
〈タックル〉
ロッド : 宇崎日新 PRO SQUARE 2WAY クロダイ 4.2m
リール : RYOBI 落とし込みチヌ606D
五日前。
仕事帰りのちょい釣りでタコ狙い。
一匹釣ったら帰る縛りで。
いやね、マリネが食べたいのよ。定番の酢だこももちろん美味しいけど、マリネも間違いなく美味いのだ。
照り付ける太陽は危険な日差し。
とっとと釣って帰らないと、体がヤバいことになりそうだ。
餌釣りでわいわいやっている二人連れにはコアジが釣れている。
ややあってキジハタが掛かったようだ。大騒ぎしてる様子が微笑ましい。
鉄板ラインでアタリ。
感触からおそらくサイズは7,800gほどかな。
食べるには良いサイズじゃ~ん、と寄せてきたら途中で外れてしまった。
Oh , Sit ! !
なんてこったい。帰るタイミング逃した(^^;
今日はなぜか活性が低いらしく、出るべき場所での反応が薄い。
10mほど先の、敷石の際に狙いを絞る。根掛かりのリスクは高いけど、間違いのないスポット。
足元狙うよりも難しいけど、確かに釣れるよね。
浅い根掛かりを外したタイミングでアタリが出た。
よし、イタダキ♪
はい、今日のステージクリア。
まっことすまんが、おんしゃぁ、マリネになってつかあさい。
近くのコンビニで、ノンアルコールビールを喉にぶつけるように一気に流し込んでから帰途に就く。
このクソ暑さを軽く蹴り飛ばしたら、家ではノンではないリアルなビールが待ってるぜ。
〈タックル〉
ロッド:DAIWA TACORALDAS INF72HB
リール:AbuGarcia RevoBigShooter
ライン:PE6号