遊びごと綴り

砂浜という聖地へ、アタリを求め、魚を求めさまよう・・・。

昨日。

キスの天ぷらを食べるのだ。揚げたては塩で、後は天丼にして食べるのだ。刺身も食べるのだ。刺身は皮付きで、カルパッチョはレモンベースのドレッシングで食べるのだ。そして冷えたビールを喉にぶつけるようにして激しく呑むのだ。
そんな強い決意を抱き、嫁に「期待に応えてキスを釣ってくるよ。天ぷらも食べたいけど刺身も良いよねって？心配するな。俺が釣るからには数は10や20じゃきかない。両方作ろう。」と自分でしゃべっているそばから不安になってしまう大見得をきってから家を出た。
今シーズン初戦のキス釣りで自信も何もあったもんじゃなく、自分のビッグマウスを呪いつつ車を走らせる（＾＾；


釣具屋で餌を購入。店のオバちゃんとしばし歓談。
オバちゃんが店先の大きな花の鉢をずらそうにも重くてずらせないと困っていたので、ファイト１発ずらしてあげた。持った瞬間、あまりの重さに一瞬後悔したが今さら引っ込みもつかず気合で動かした。オバちゃん感謝の見送りを背に釣り場へ。


車を停めて海に出る。
風もなくベタ凪の穏やかな光景。特にポイントを絞れていないので、良さげな所を探しながらのランガンだ。

チョメリグの１０ｇに１本針でちょい投げの渚釣りだ。
所々にキス狙いの釣り人を見えるが、どの人も同じく渚釣り。投げ釣りよりもこの釣りの方がスタンダードになってきてるのかねぇ。こちらとしても何方向にも仕掛けを投げて一帯を占領する投げ釣りよりも都合がいい。


１箇所目。
１投目で出るかどうか。ちょっとドキドキしながらキャスト。
すると着水した次の瞬間、ゴーンッ！とロッドを引ったくられて水面から銀色の魚体が割って出た。
ありゃ、セイゴが喰っちゃったわ。針はすぐに外れて回収できてひと安心。

気を取り直して再びキャスト。
手前のかけ上がりでビッグアイのソリッドティップが激しく震えて引き込まれた。



きたきた♪夏の使いが（＾＾）


３匹ほど追加したところで沈黙。移動。

日差しが強く肌をじりじりと焼く。
遠くにいる釣り人の姿がゆらゆらと陽炎に揺れている。
青い空に熱い砂。
カニ１匹、波打ち際を走り抜けていく。



小憎らしいクサフグも青空をバックにするとかわいいのだ。
かわいいんだけど・・・目の色がやばい。


目ぼしいポイントを叩きながら釣っていくが、どこも３匹ほど釣ると沈黙してしまう。手前かけ上がりに付いているやつを誘いに誘って喰わせてもピンギスばかり。
あまりに釣れないのでクーラーの中を数えてみる。
２時間あまりやって１６匹・・・。

まずい。

家を出るときに広げた大風呂敷が悔やまれる。やばいなぁ。もっと釣れると思ったけどなぁ。
なんとかして数を伸ばそう。
遠投するのに３号のオモリの天秤仕掛けに変えてみるも・・・。


多分キスは居る。
若干の群れの移動はあるだろうけど、喰い気が立つかどうかだろうな。
海に変化でも出てくれば・・・。

ふらふらとぼとぼと砂浜を歩き続ける。
なんかこう、砂浜って「果てなく」「遥か」だなぁ。
頂点に差し掛かった太陽の下、砂に取られる足取りがいつもより重い。


サーフを折り返し復路に入る。駐車スペースに近づいてきた。ダメなら大きく移動しよう。
そう思っていると、風が吹いてきた。
北からの風。
風波が立ち始め、波打ち際で巻き返した砂が濁りを作っている。
明らかな海の変化が始まっている。

これは・・・・いけるかも。
足が軽くなった。


最初に入った場所でキャスト。
すると１投目からアタリ。
それも明確なやる気に満ちたアタリだ。
いける。
さっきまでとはポイントもアタリも雰囲気が違う。

ロスなく掛けて手返し良くするために針を競技用にチェンジ。
そして早目に数を揃えて自分を安心させてやりたい（笑
釣趣より効率をとってダブル狙いの釣りに変える。１匹喰わせて仕掛けを躍らせながら引いてくると程なくズンッと２匹目が掛かる。
テンポ良く２匹ずつ追加していく。
次第に浮遊ゴミが溜まってきて邪魔になってきた。釣れる型も落ちてきたので少し移動。
また連打が始まる。
気分が落ち着き余裕が出たところで１匹ずつ楽しみながら釣る。ああ、楽しい（＾＾）


充分な数は獲れたので、この場所での釣りはやめて大きく移動することにする。
まだまだ釣れそうだけど、釣ったら釣ったで後がえらい。
移動先は・・・全然ダメだった。風強すぎの波立ちすぎのゴミ多すぎ。ピンギス３つリリースして終了。


結果、５２匹。
最初はどうなるかと焦ったが終わってみれば・・・良かった、これで胸を張って帰れる（笑
そして夕飯は当初の予定通りとなり満足♪







〈タックル〉
ロッド：TENRYU BIGEYE BE802
リール：RYOBI　ZAUBAR1000
ライン：ＰＥ０．８号