2016年02月13日
細く長く
太く短い人生よりも・・・って話じゃなくて。
この方のことです。
2月8日
日曜日が授業参観だったため今日は振替休日となった息子。僕と休みがあったので釣りに連れ出した。
「何釣りたいよ?」
「う~ん・・・美味い魚がいいな!刺身食いたい!」
何を釣りたいかじゃなくて何を食いたいか、ですか。
「じゃあメジナはどうだ?」
「お~いいね!行こう行こう!」
そんな感じでコマセと餌を調達して海へと車を走らせる。
久しぶりの青空。立山連峰が鮮やかすぎるほどに鮮やか。
空の青と連なる雪山の白が織り成す美しく荘厳そして感動的なその光景を上手く表現する言葉を持たない自分が悔しい。
そう、悔しいくらいに美しいのだ。
息子との釣りはいつも昼飯時に出かける。途中のコンビニでこの時ばかりは普段はあまり食べさせていない弁当やレジ横フライ関係を好きに選ばせる。そして釣り場に着いたら僕が用意している間、息子はそれらを食べながら待つというのがいつものパターン。
子供は嬉しいんだよね。普段食べさせてもらえないものを特別に食べることが出来るこんな時が。
釣り場到着。
天気は良いが風が強い。ちょっとやりづらいかな。
天気晴朗ナレドモ風強シ。
常連軍団はいつも昼時になると三々五々と帰宅するのでその入れ替わりのタイミングを狙ってやって来たのだが、今日は風さえ我慢すれば波も落ち着いていて久しぶりの釣り日和とあってかみんな帰る気配がない。聞くとやはり「いや~久しぶりのいい空やからね~。」とのこと。
入りたい位置は埋まっていたけど近くに釣り座を構える。用意しているとこれまた常連午後から組のオッサンがやって来た。タックルを見るとヤリイカ狙いのようだ。
「何やられるが~?」
「メジナ。ヤリイカやろ。オレら足元だけだから横で投げられ。」
「あ~そうけ。ありがと、ありがと。なら、やらせてもらうちゃ~。」
オッサンに聞くとメジナは少し前に姿を消してしまったらしい。
!!マジ!?
なるほど、コマセを巻いてもいつもなら底から沸き上がってくるメジナ軍団の姿は一切なく、小アジとサヨリだけが忙しそうに盛り上がっている。
うっわ~、ホントかよ~。いつもならまだいけんのに、今年に限ってこれかよ。
オッサンに尋ねる。
「いつもならまだメジナおるよね~?」
「おっちゃ、おっちゃ。けど今年はもうどっか行ってしもたちゃね~。サヨリでもやられたらどうね?」
確かに周囲の常連たちの多くがサヨリ狙いだが僕はサヨリの仕掛けは持ってきていない。
・・・・いや、たしか・・・。
ボックスの中をひっくり返すとグレ針に混じってソデ針の5号に08のハリスを撒いたのが出てきた。確か去年に息子とウミタナゴを釣りに行ったときに作ったやつだ。これなら使えるな。餌はオキアミしかないけどむき身にして小さく付ければイケルだろう。
息子に尋ねる。
「なあ、メジナいないってよ。サヨリなら釣れるからそっち狙うか。」
「サヨリって美味いん?」
「この間食っただろ、お父さん釣ってきて刺身にしたやつだよ。」
「あ~あれか!美味かった。うん、サヨリ釣ろう!」
面倒なのでサルカンから上はメジナ用のドングリ浮きの遊動仕掛けのまま針だけソデ針に変更。
本来サヨリ狙いであればコマセは米糠が最高であり、集魚性といい表層に留めおく膜の広がりといい申し分ないのだが(それでも昔はしゅんしょうに米糠でなくマルキューのサヨリパワーなんぞ使っていた頃もあった。上手いこと丸め込まれてたんだよね^^;)、今日のコマセはグレパワーV9+オキアミ3k(2kでいいのにアングラーズは2kを切らしてやがった。店長ヲ浣腸ノ刑二処ス。)。
精米ボックスに行けば無料で手に入る米糠との費用対効果の差を思うと、あれ、変だな、目から汗が出てきたや。
息子に竿を持たせて僕はサポートにまわる。
魚が餌を食うところを目で見て釣るだけに子供には楽しい釣りだ。
「うわ、海ん中超見える。このサングラスすんげ~。」
そりゃそうだろ、お前に貸してんのタレックスだもん。気に入ったら自分で買えよ(笑
油断すると沸きまくる小アジが突っ込んできて喰わせのオキアミを横取りしてしまう。
その猛攻を初代タイガーマスクのロープワークで躱すと、
刺身ゲッツ!・・、もといサヨリゲッツ!!
いや~細長い。悪いこれしか思い浮かばない。アンタ、細長い。
サヨリと小アジとではコマセへの反応にタイムラグがある。米糠を使えば集魚効果は小アジなしのサヨリオンリーなのだが、今回は有無を言わさず全員集合的なメジナ用コマセでありサヨリのレンジと比べると沈下速度も早い。コマセに一気に反応し絨毯のように集まる小アジに対してサヨリはモヤモヤとワンテンポ遅れて表層を泳ぎ回る。コマセを撃ち分けて、小アジを集中させるエリアと周囲にサヨリを群れさせるエリアを作り分ける。潮の流れも関係するので意外とシビアな作業だ。
さすがに2月ともなればサヨリのサイズも大きい。釣れるのはどれも丸々とした立派な刺身サイズだ。
しかし如何せん喰わせのオキアミが大きいのでいつもの刺しアミと違い、喰わせが口の中に入ったのを確認してから合わせてもフッキングしないことも多い。刺しアミなら一発なんだけど餌のサイズだろうね、すぐに吐き出してしまう個体もある。もちろん針のサイズも大きいからだろう。せめてソデ針なら3号くらいを使うべきかな。
それでも口に入ってからしばらくタイミングを見計らい、喰い込んだタイミングで合わせると、
OK!いいぞ!
最初は僕の指示通りに釣っていた息子も途中からは餌付けから小アジとサヨリを分離するコマセの撃ち分け、喰いこみを見極めてのアワセから取り込みの一連の流れを自分でできるようになったので、サヨリは彼にまかせて僕は写真を撮ったり周囲の様子を眺めたりと気ままに過ごす。
彼なりに試行錯誤しているようだし、時々周囲の常連オッサン達にレクチャーしてもらいながら釣っている。息子と釣りをしているとこのように近くの釣り人達が優しく教えてくれることは多々あるが、こういう趣味の場での人との触れ合いを経験させてやれるのも親子での釣りの醍醐味だと思っている。もちろん親としては息子によくしてくれた方達へは礼を尽くす。
いつしか風はやんでいた。赤みをました陽の光が水面を飛び跳ねる。
空は夕暮れに差し掛かっていた。暗くなる前に帰ろうか。
さ~て、捌くか~!!
先日久しぶりに食べたサヨリの美味さに感動した嫁のテンションも上がっている。息子が釣ってきた獲物だけに尚更だろうが、対する息子の少し誇らしげな感じも微笑ましい(^^)
サヨリって腹膜が黒くて腹黒い例えに使われたりするんだけど、実は骨の色も特徴的なんだよね。
コバルトに輝くブルー。なんだこのケミカル感。
画像を見ればわかるけど、腹骨ごとすいた身から一部分見せてある中の黒い腹膜(スンマセン、ホントは捌くの失敗しただけです・汗)のコントラストは腹黒さを助長しているようだが、やはりサヨリはこの骨の色が素敵ですよ。地球っぽくないもん、なんか。
青く光る骨といえば一部の方達には有名なのがダツの骨。
「ダツ!?あいつ喰ったことある?骨青いんだぜ、捌くと。身の味はなんてことのない白身だけど骨は青いの。あれビビるよね~。」なんて会話は全国津々浦々で交わされている。ホントかって?俺は交わしてるよ、まだ二人ほどだけど(^^;

ほらこの通り、青いでしょ。
なんか蛍光ペンで線引かれたみたいね。ここテストに出るからな~。
と言うのもちゃんと理由があって、サヨリは分類上ダツ目トビウオ亜目サヨリ科となりダツとは仲間内なんですね~。見た目も似てるし納得っちゃ納得だけど、ダツは上あごと下あごの両方が細長く突き出ているのに対し何故サヨリは下あごだけが突き出ているのか。
一度このあたり本人たちの口から、実際のとこどう思っているのか膝を突き合わせて伺ってみたいものだ。
大盛サヨリ刺しと結果的に釣れてしまった外道の小アジ刺し(根性出して捌いた)の夕食はみんな大満足だった。
いやはや、やっぱサヨリ美味いわ。
楽しくやさしく満たされた休日の終わり。いい一日だった。OKだ。
Posted by ネオプラMASA at 20:16│Comments(0)
│餌釣り等