2013年01月28日
探る
海に行ったけど、荒れは続いておりタコ狙いには「こりゃアカンでしょ」な状況。
いつものように、海がダメならマブナ釣りという定番コースを楽しんできた。
いつものように、海がダメならマブナ釣りという定番コースを楽しんできた。
今季の目標、マダコの3キロオーバーを獲ることのできる可能性が一番高いこの時期に海況にふられるのは痛い。
ミズダコは今季も同じく目標にしているが、こちらは開幕までにはまだ時間がある。マダコはいよいよリミットが迫っているが、自然を前にして、一人の釣り人の思いなんてちっぽけなもんだ。
車を西へ走らせる。
いつものマブナポイントへ。
車内のBGMはPetShopBoysの「GO WEST」。そのまんまですな(^^;
午前12時前に現場到着。
釣り場は雪で覆われている。
水は濁り気味で、時折水面を雪の塊が流れてきて、いかにも水温は低そうだ。
偏光グラス越しに水中を観察。
枯れた水草の姿が多くなっているようだ。
いつもの鉄板位置は今日も期待に応えてくれるかな!?
雪の上で竿に仕掛けをセットして針にミミズをチョン掛けする。
慎重に餌を狙いの位置に落ちるよう流れに乗せる。
・・・・反応がない。
しばらく周辺を探ってみるが、全く反応がない。
こりゃ相当今日は厳しいなぁ。
鮒さん、寒いから引きこもっちゃったかな。
それでも1匹釣れれば後が続く。
その1匹を出すためにしばらく同じ場所で粘る。時々、周囲の水草と同調してシモリ浮きが流れとは逆にゆらめく。
河口では相当ウネリが入っているんだろうか。どうやらこの位置まで、うねりの波動が届いているようだ。
ダメだ!広く探ろう!
探り釣りに来たんだから、探ってナンボじゃ w(゚ロ゚)w
雪の中を歩く。
時折日が差してきて、歩いていると身体が熱くなってきた。
目ぼしそうな場所に次々と仕掛けを投入して反応を見ていくが、水面は沈黙を保ったままだ。
明らかに今日は魚達は動いていない。
ピンスポットでどこかに溜まっているのか。水草の中にばらけて潜んでいるのか。
どこだ?どこに居るんだ?
時間だけが過ぎていく。
結局、再び元の場所に戻ってきた。
いくら探っても、探しても、見つからない。
これが寒鮒釣りの洗礼か!?
「寒鮒は3匹釣って一人前」なんていう言葉があったっけな。
この場所に限っては「そうでもないよ」なんて思っていたが、どうやらそうでもなくはないようだ。
甘かったか、オレ (ノД`)
雪に覆われた世界は一層の静謐な空気の質感を湛え、僕は心の熱さと周囲の静けさの間で、少し戸惑っていた。
遠くで鴨のつがいが仲良く泳いでいる。民家の軒先から雪が落ちる。
時々、忘れていたように雪がちらつき始めては、また止む。
水面を三角の波が走っていく。底を魚が泳いでいったのだ。水草の中からゴポンッ!と大きな音をたてて鯉が跳ねる。
魚は居る。でも僕の竿には見つからない。
僕は少し混乱した面持ちで、仕掛けを何度も流し続けた。
置き竿にして、道具入れの中を整理していた時、竿の穂先が何度も引き込まれているのが見えた。
掛かった!
慌てて竿を立てたが、空しくも外れてしまったようだ。
千載一遇のチャンスだったか・・。いや、ただ便宜的に置き竿にしていただけであって、チャンスと呼ぶにはお粗末だったろう。
だがしかし、惜しくも悔やまれる瞬間だった。
時計を見ると午後3時。残された時間はあと30分。
寒鮒の洗礼。
なかば今日の釣果は坊主を覚悟していたが、あと1箇所、探りきっていない場所がある。
なんとか鮒の顔を見たい。
純白の雪の上に横たわる鮒の姿が見たい。
ラストチャンス。
少し足早にポイントへ向かった。
ここは先ほども探った場所だが、もっとタイトに流芯を丁寧に探ってみた。
すると、確かにシモリ浮きがヒクヒクと動いている。
アタリだ!やっとキタ w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w
充分に食い込ませてからアワセを入れると、キューンと糸が走った。
竿が曲がる。
ここに・・・居た!

報われた。感極まる1尾。
どうやら、最期の最期にようやく今日のアタリ場所を探り当てたようだ。
極めて限られるラインだが、そこを正確に流しいれると・・・


入れ食いだ (v^ー°)
少しずらした場所を流すとポツリポツリと釣れるは釣れるが反応は極めて少ない。
反面、アタリのラインを流すと、ほぼ百発百中♪
さっきまでの長かった沈黙の時間が嘘のようだ。
先ほどまでは自分の周囲をゆるやかに纏うように流れていた空気は、今完全に引き裂かれ、躍動している。
躍動の真ん中には僕が居る。
今、この踊るような空気を作っているのは僕で、風景の指揮者となる僕の至福。
僕はひとりの釣り人になっていた。

太い。尺に近いでっぷりとした1尾。
見たままの感じで半分寝ぼけながら釣られてきて、タモに収まった途端、自分のおかれた状況を理解したらしく暴れ始めた(笑
入れ食いは止まらない。
溜めに溜めていたものが、ここに来て一気に解き放たれたかのような釣れっぷり。
キスの渚釣りもそうだけど、探りながら釣りをする楽しさって面白い。
そんな面白さは、寒鮒の探り釣りには凝縮されているように思えてくる。

鱗が一際綺麗だった1尾。
雪の上に映える鈍い金色は、間違いなく日本的な美のひとつと確信できる。

尺超えもちょくちょく釣れた。
珍しいサイズでもないが、それでも尺超えって嬉しいな(^^)
小さい時からの釣りの本でよく尺鮒の記述があったから、尺鮒への憧れみたいなものが僕の中に刷り込まれているのかもしれないな。

今日一番の美しい体型の一尾。
逞しく筋肉が盛り上がった体高、立派なヒレ。尾びれの切り込みが少し残念だが、これも自然で生きてきた証。
惚れ惚れとする魚体だ。
時間が来たので終了。
最後の30分。追い上げともいえる入れ食いで、20匹は釣っただろう。それもほぼ同じ位置から。
これが探り釣りの醍醐味か。
ヤバイぜ!鮒釣り。
ヘラブナ釣りも凄い釣りだけど、寒鮒の探り釣り、これもまたなかなかの魔力を持った釣りと実感した。
あまり人がやってないってとこも良いね。おかげで富山は鮒天国ですよ。
結局、僕のはまる釣りはタコといいフナといい、マイナーなんだなぁ。そこがまたおいしいんだけど ( ̄ー ̄)
〈タックル〉
竿:SX峰春ZOOM硬調40/44
道色:東レ 銀鱗1.5号
ハリス:東レ 銀鱗0.8号
針:袖6号
ミズダコは今季も同じく目標にしているが、こちらは開幕までにはまだ時間がある。マダコはいよいよリミットが迫っているが、自然を前にして、一人の釣り人の思いなんてちっぽけなもんだ。
車を西へ走らせる。
いつものマブナポイントへ。
車内のBGMはPetShopBoysの「GO WEST」。そのまんまですな(^^;
午前12時前に現場到着。
釣り場は雪で覆われている。
水は濁り気味で、時折水面を雪の塊が流れてきて、いかにも水温は低そうだ。
偏光グラス越しに水中を観察。
枯れた水草の姿が多くなっているようだ。
いつもの鉄板位置は今日も期待に応えてくれるかな!?
雪の上で竿に仕掛けをセットして針にミミズをチョン掛けする。
慎重に餌を狙いの位置に落ちるよう流れに乗せる。
・・・・反応がない。
しばらく周辺を探ってみるが、全く反応がない。
こりゃ相当今日は厳しいなぁ。
鮒さん、寒いから引きこもっちゃったかな。
それでも1匹釣れれば後が続く。
その1匹を出すためにしばらく同じ場所で粘る。時々、周囲の水草と同調してシモリ浮きが流れとは逆にゆらめく。
河口では相当ウネリが入っているんだろうか。どうやらこの位置まで、うねりの波動が届いているようだ。
ダメだ!広く探ろう!
探り釣りに来たんだから、探ってナンボじゃ w(゚ロ゚)w
雪の中を歩く。
時折日が差してきて、歩いていると身体が熱くなってきた。
目ぼしそうな場所に次々と仕掛けを投入して反応を見ていくが、水面は沈黙を保ったままだ。
明らかに今日は魚達は動いていない。
ピンスポットでどこかに溜まっているのか。水草の中にばらけて潜んでいるのか。
どこだ?どこに居るんだ?
時間だけが過ぎていく。
結局、再び元の場所に戻ってきた。
いくら探っても、探しても、見つからない。
これが寒鮒釣りの洗礼か!?
「寒鮒は3匹釣って一人前」なんていう言葉があったっけな。
この場所に限っては「そうでもないよ」なんて思っていたが、どうやらそうでもなくはないようだ。
甘かったか、オレ (ノД`)
雪に覆われた世界は一層の静謐な空気の質感を湛え、僕は心の熱さと周囲の静けさの間で、少し戸惑っていた。
遠くで鴨のつがいが仲良く泳いでいる。民家の軒先から雪が落ちる。
時々、忘れていたように雪がちらつき始めては、また止む。
水面を三角の波が走っていく。底を魚が泳いでいったのだ。水草の中からゴポンッ!と大きな音をたてて鯉が跳ねる。
魚は居る。でも僕の竿には見つからない。
僕は少し混乱した面持ちで、仕掛けを何度も流し続けた。
置き竿にして、道具入れの中を整理していた時、竿の穂先が何度も引き込まれているのが見えた。
掛かった!
慌てて竿を立てたが、空しくも外れてしまったようだ。
千載一遇のチャンスだったか・・。いや、ただ便宜的に置き竿にしていただけであって、チャンスと呼ぶにはお粗末だったろう。
だがしかし、惜しくも悔やまれる瞬間だった。
時計を見ると午後3時。残された時間はあと30分。
寒鮒の洗礼。
なかば今日の釣果は坊主を覚悟していたが、あと1箇所、探りきっていない場所がある。
なんとか鮒の顔を見たい。
純白の雪の上に横たわる鮒の姿が見たい。
ラストチャンス。
少し足早にポイントへ向かった。
ここは先ほども探った場所だが、もっとタイトに流芯を丁寧に探ってみた。
すると、確かにシモリ浮きがヒクヒクと動いている。
アタリだ!やっとキタ w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w
充分に食い込ませてからアワセを入れると、キューンと糸が走った。
竿が曲がる。
ここに・・・居た!

報われた。感極まる1尾。
どうやら、最期の最期にようやく今日のアタリ場所を探り当てたようだ。
極めて限られるラインだが、そこを正確に流しいれると・・・


入れ食いだ (v^ー°)
少しずらした場所を流すとポツリポツリと釣れるは釣れるが反応は極めて少ない。
反面、アタリのラインを流すと、ほぼ百発百中♪
さっきまでの長かった沈黙の時間が嘘のようだ。
先ほどまでは自分の周囲をゆるやかに纏うように流れていた空気は、今完全に引き裂かれ、躍動している。
躍動の真ん中には僕が居る。
今、この踊るような空気を作っているのは僕で、風景の指揮者となる僕の至福。
僕はひとりの釣り人になっていた。

太い。尺に近いでっぷりとした1尾。
見たままの感じで半分寝ぼけながら釣られてきて、タモに収まった途端、自分のおかれた状況を理解したらしく暴れ始めた(笑
入れ食いは止まらない。
溜めに溜めていたものが、ここに来て一気に解き放たれたかのような釣れっぷり。
キスの渚釣りもそうだけど、探りながら釣りをする楽しさって面白い。
そんな面白さは、寒鮒の探り釣りには凝縮されているように思えてくる。

鱗が一際綺麗だった1尾。
雪の上に映える鈍い金色は、間違いなく日本的な美のひとつと確信できる。

尺超えもちょくちょく釣れた。
珍しいサイズでもないが、それでも尺超えって嬉しいな(^^)
小さい時からの釣りの本でよく尺鮒の記述があったから、尺鮒への憧れみたいなものが僕の中に刷り込まれているのかもしれないな。

今日一番の美しい体型の一尾。
逞しく筋肉が盛り上がった体高、立派なヒレ。尾びれの切り込みが少し残念だが、これも自然で生きてきた証。
惚れ惚れとする魚体だ。
時間が来たので終了。
最後の30分。追い上げともいえる入れ食いで、20匹は釣っただろう。それもほぼ同じ位置から。
これが探り釣りの醍醐味か。
ヤバイぜ!鮒釣り。
ヘラブナ釣りも凄い釣りだけど、寒鮒の探り釣り、これもまたなかなかの魔力を持った釣りと実感した。
あまり人がやってないってとこも良いね。おかげで富山は鮒天国ですよ。
結局、僕のはまる釣りはタコといいフナといい、マイナーなんだなぁ。そこがまたおいしいんだけど ( ̄ー ̄)
〈タックル〉
竿:SX峰春ZOOM硬調40/44
道色:東レ 銀鱗1.5号
ハリス:東レ 銀鱗0.8号
針:袖6号
Posted by ネオプラMASA at 23:24│Comments(2)
│鯉、鮒
この記事へのコメント
やはり今の海の状態ではタコは辛いですか(^_^;)
それにしても、相変わらずでかくて太いマブナです♪
色々悩んだ末の入れ食い、寒さも忘れて楽しめたでしょうね♪
コメント遅れましたが、前回のブログのミミズの養殖?イイと思いますよ♪
堆肥ならミミズ以上の餌もゲット出来るかも…鯉に最高な餌♪
それにしても、相変わらずでかくて太いマブナです♪
色々悩んだ末の入れ食い、寒さも忘れて楽しめたでしょうね♪
コメント遅れましたが、前回のブログのミミズの養殖?イイと思いますよ♪
堆肥ならミミズ以上の餌もゲット出来るかも…鯉に最高な餌♪
Posted by アズール
at 2013年01月29日 01:06

>アズールさん
底荒れしちゃったらタコは厳しいですね。岸壁や波の影響が少ない内湾を狙うって手もありますが、僕はいろんなポイントを気持ちよくキャストして楽しみたいので、さっさと諦めちゃいます(^^;
マブナ釣り。本人は寒さなんて全く感じませんでしたが、通行人の方から「寒ないけ?」とご心配いただきました(笑
ミミズ以上の餌・・・「ドバ」ですか!?
こいつが安定的に入手できれば、鯉はもちろんウナギやナマズ狙いに使えるので、ぜひ実現したいですね♪
それとも他に特効餌があるとか・・・。であれば、ぜひ教えてくださいませ!
底荒れしちゃったらタコは厳しいですね。岸壁や波の影響が少ない内湾を狙うって手もありますが、僕はいろんなポイントを気持ちよくキャストして楽しみたいので、さっさと諦めちゃいます(^^;
マブナ釣り。本人は寒さなんて全く感じませんでしたが、通行人の方から「寒ないけ?」とご心配いただきました(笑
ミミズ以上の餌・・・「ドバ」ですか!?
こいつが安定的に入手できれば、鯉はもちろんウナギやナマズ狙いに使えるので、ぜひ実現したいですね♪
それとも他に特効餌があるとか・・・。であれば、ぜひ教えてくださいませ!
Posted by ネオプラMASA
at 2013年01月29日 11:13
