シーバス狙いで海に通うが、ホームポイントは波が高い日がほとんどでまともに勝負をさせてもらえないままシーズンが終わりに近づいたようで。
11月は荒れ続き。
毎年のことかもしれないが、今年は特にその傾向が強い気がする。
釣り場で知り合った人と情報交換するなかで、まだ勝負できそうなメジャーポイントに行ってみることにした。随分と長い間来ていなかった場所。久しぶりの入水に体は芯まで凍え、久しぶりに苦行の釣りを楽しめた(笑
気分転換といこう。
気楽にのんびりと楽しむ釣りで心を開放しに。
眼力抜群なこのヒトに逢いに♪
昨日。
午後からは雨に変わる予報だが、今はまだ落ち着いた冬の朝。
空は雲に覆われていて前日のような晴天とはいかないが、それでもまだ冷たい雨に打たれるよりはだいぶマシだ。
昨日はポカポカ陽気に嬉しくなり、ランニングの距離をいつもよりも伸ばした。普段は時間や体調に合わせて5km7km10kmの3つのコースを走っているが、青空に映える立山連峰が美しくて気分も上がり、結局15km走った。
その足の疲れも朝にはすっかりとれていたので、ストレスなく釣りを楽しめそうだ。
さて、初冬のコウイカ釣り、行くか~!
ポイントに着いたのは昼前の11時過ぎ。
先行者が一人いたので声を掛ける。聞くと小アジの泳がせでフクラギ狙いらしい。
僕は3軍エギのボックスを取り出し、六角オモリを介した誘導式のリグをセットする。なぜ3軍エギかというと、どのエギも拾ったものだから(^^;
僕が拾ったわけではなく、職場の釣り好きのオッちゃんが荒れた翌日の海でいそいそと拾い集め、痛みがあるものは薄い布を張りなおしたりして再生したものを貰い受けたものなのだ。
オッちゃん曰く、「俺、拾ってちまちま直すのが好きなだけだから、お前使ってくれよ。お前やったら釣れるやろ」
その好意まことにありがたく受け取って、使えそうなものはエギとして普通に活用しているが、ちょっと厳しそうなものはコウイカ狙いに転用している。釣れ方としては通常のエギと比べても遜色がなく全く問題なしである。
また、再生の際に用いている「薄い布」には、使い古したストッキングが使用されており、言いようのないモヤモヤ感で使い手の心の奥の方を混乱させる、恐ろしい魔力をもった魔性のエギなのである!
そんなエギをセットして釣り始めると、泳がせ釣りのオッちゃんが興味ありげに、ぬしは何を狙っておるのか、と尋ねてきた。われはコウイカを狙っておるのである、と答えるとオッちゃんはさもありなんと大きく頷き、しばらくあれやこれやと話が弾んだ。いい情報も聞けたので、次ここに違う目的で来るときは楽しみがひとつ増えそうだ。
「ワシの釣りはあんちゃんの攻めの釣りと違って待ちの釣りだから寒さが身に染みるわい」
そういうとオッちゃんはひとしきり大きくズズズイッと鼻をすすった。
80~90mほどキャストして沖合の砂地を探る。ポーズをやや長めにとったズル引きのストップ&ゴーにシェイクを組み合わせたアクション。
この釣り。
コウイカ狙いといえども、砂底でエギを這わせる釣りなのでイイダコやテナガダコといった砂系のタコ類がよく釣れる。投げ竿使用の際に用いる下部のオモリから上部のエギまで幅をとった胴付き仕掛けの場合はそれほどでもないが、ルアーロッドで使う誘導式のお手軽仕掛けではエギは底を這っており、まんまと彼らの餌食となってしまうのである。その釣れ具合から、おそらくコウイカよりも彼らの方が早く飛びついてきているのではないかとも思われるほどであり。
タックルを変えればそれを避けることも出来るのだが、僕はいろいろ釣れた方が楽しいのでもっぱらお手軽仕掛けばかりである。
よって、ここは大局的なものの見方をするとして。今回の釣りはコウイカ狙いではなく、「砂系軟体狙い」とするのである。
どうでもいいが、こっちの方が楽しいので開き直ってしまうのである。
いつもの鉄板ラインではアタリがない。昨日一昨日と天気が良かったから抜かれちゃったかな、と思いつつ少しずつ移動しながら釣り続ける。
次の鉄板ラインで、ズル引いていたエギに重みが乗っかかり止められた。
お、きたきた♪
そのままアワセを入れて寄せてくる。
途中、岸から40mほどの箇所にある大きなブレイクをよっこらしょっと乗り越える。ここは雑に扱うと根掛かりしてしまうところだけに慎重に。
引きの感じからしてイイダコに間違いない。
ほいキタ、やっぱりのイイダコさん(^^)
腕に付けたトレードマークの輪状斑がいかしてますなぁ。
釣れる場所に当たったら連続して釣れるのも特徴であり。
カッコイイ~!
立ち姿がとても凛々しい今回のベストショット。
この写真のように、海底を歩くときは目を一番高い位置に持ってくる。泳ぐときは紡錘型だしどんな狭い穴もするすると抜けてしまうし、周囲に合わせて一瞬で体色を変えてしまう。その変幻自在な体術を持ったタコは、やはり生き物として只者ではない。詳しくは
過去記事で。
これはまた黒い縞模様がはっきりと出た個体だ。
暗色縦線と言って、出たり消えたりするものだがイイダコの特徴的な模様だ。
コンスタントに釣り続けていく。
ふと気配を感じて横を見ると、泳がせ釣りのオッちゃんの竿が大きくお辞儀を繰り返しているではないか。そして、肝心のオッちゃんはと言うと・・・・・・・・、なんと撤収準備に入っており竿に背を向けて道具の片づけをしているではないか!
「ちょ、オッちゃん!きとる!きとるよ!!」
オッちゃん、慌てて飛んできて竿を手に持った。
タモ入れをかって出る。無事フクラギがネットイン。
オッちゃん、嬉しそうだ。良かった良かった。
このエギを見てもらいたい。
これも前述のオッさんに貰ったエギなのだが、ボディに張り付けてあるのはなんと本物のエビの殻である。
「どうせなら本物の殻張った方が釣れるんじゃねえか」という極端かつ斬新な理論に基づいて生まれた、虚構と現実のハイブリッド餌木。
果たして効果があるのかないのかさっぱり分からんが、これも遜色のない釣れ方である。
ただ致命的な弱点があり、ちょっと使っていると殻がふやけて、この画像のように剥がれてきてしまうことである。ただ剥がれても釣れ具合は変わらないので、そもそも弱点なのかどうかも分からないのである。だったらこの殻は意味ないんじゃないかという、そもそも論に落ち着いてしまい非常につまらないので、あまり考えないようにしているのである。
ただ、僕はこういう発想は大好きだ、とても。
イイダコとは違った弱い手ごたえ。
あ、これ多分あいつだ。
頼りない重さを感じながら寄せてきたのは・・、
テナガダコ~♪
ワハハハ!やっぱ手ぇ長過ぎ~!何がどうやって手だけこんな長くなっちゃったんだよ。どの段階で間違った?
とりあえず、腕が長すぎるため写真に収めると胴体がすごく小さく写ってしまうのは確かである。
テナガダコとくれば韓国料理のサンナクチが有名であろう。あの踊り食いするやつである。だから僕はその場で腕を一本いただき、そのまま口に放り込む。
これが旨い。
テナガダコはマダコやイイダコと比べると茹でようが何しようが食味は劣るのであるが、この踊り喰いだけは特筆ものでテナガダコならではの楽しみである。口の中で張り付き暴れるのを噛み倒していくと、その歯ごたえとあっさりとした味が秀逸だ。
まだもぐもぐしながら釣っていると連発。
弱々しく細長い胴の根元にある目つきが、実はとても怖い。
同じ場所で釣れるにしても、テナガダコはイイダコの次に釣れる確率が高いような気がする。イイダコの方がアグレッシブで優位なのであろうか。
ブレイクを境に砂地から根が混じったボトムになる。
そのブレイクを乗り越えたところで、いきなりエギを止められた。
アワセを入れると、今までとは違う重量感と引き。
おお~、これはきたでしょ~!!
やがて海中をクルクル回りながらコウイカが上がってきた。
やっぱ回るよね。なんでこう回っちゃうのかね、コウイカ君は。
釣りあげてから雑に地面に置くと360度墨をまき散らしながら回転する旋回式爆弾と化すので、そお~っと優し~く置く。
ばふっと墨をその場でひと吹きしただけでひとまず安心。
や~り~♪
やっぱカッコイイ!、コウイカは。
なんだかんだの本命が出て嬉しいね。
浅場の根混じりのエリアに差し掛かってきた。
イイダコ、テナガダコと釣ったので、こうなればマダコも釣ってタコのハットトリックを完成させたい。
一応、マダコ用タックルも持っては来ているのだが、今のこの仕掛けで連れてくれた方が手間も省ける。デカいの来たら厳しいけど。
しっかりとした手ごたえ。
お、これは!?
よっしゃ!ハットトリック!!
願いが通じたかのマダコ登場。
これはタコ好きとしてはかなり嬉しい展開。同一タックルで制覇出来たのは最高だ♪
この後、風が強まり雨が降ってきた。気圧が落ちてきたのを肌で感じる。
そしてアタリも遠のき、撤収することにした。
テナガダコのサンナクチ風。
生のテナガダコをコチュジャンとゴマ油、塩と和えた。
ビールが進む一品をつまみながら、今日の釣りを振り返るのは良い時間だ。
〈タックル〉
ロッド:Noreis FlatFishProgram ROUGH SURF88
リール:Daiwa CERTATE3000
ライン:DONPEPE1号
リーダー:東レ トヨフロン3号
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