近所戦記

ネオプラMASA

2016年03月05日 23:35

今年も近所を釣ってます。
去年、家からチャリで5分のポイントでヤマメを釣って以来、着々と「ウチノシューヘン」を開拓し続けてきた。
意外と楽しめて、意外と奥が深い近所の釣り。自転車で気楽に走りながらのポイント探しは、どこか自分の釣りの原点を思い起こさせるようで、ふとした事の発見に対する喜びの度合いが半端ない。
フロンティアスピリッツを燃やすのが家のすぐそこという。
でもね、あなどれないのよ。



こんなのがひょっこり登場したりするから。



仕事帰り、夕暮れ迫る中を車を走らせている。
今月に入り渓流が解禁されてからというもの、気持ちのどこかで常にトラウトを意識している自分を感じる。

渓に入れるのはもう少し先になりそうだが、やはりトラウトの顔を見たいよね。で、用水ヤマメと遊んだりしてたんだけど、あいや~、今年は近所のヤマメにまだ挨拶してないじゃん!
明日にでもマウンテンバイクを転がしがてら竿を出すか、とぼんやり考えていたが、いいや今ちょっとやってこ。

少し寄り道。家からは車で5分・・・いや5分もかかんないかって距離。
近いね、じゅうぶん。チャリでもすぐだよ。

ただここはまだチェックしたことがない場所で、春になったら調査しようと楽しみにしていた場所。
近所釣りにおいての重要ポイント、「近所の目を避けることができる」というある意味魚を釣るよりも大切な要件もクリアしているナイスな立地。
近所の目なぞ気にせず堂々釣りをすればいいじゃないかあ!という御説ごもっともであるが、残念ながらオレのハートは鉄で出来てるわけではない。知り合いに出くわしたらポケットに手ぇ突っ込んで口笛でも吹いてます。



さてさて、始めようかね。


今日の竿は先日買ったばかりの新品。初おろしである。
4.0-4.4mの硬調渓流竿。道糸は通しの0.4号でヤマメ針7号。
ミミズを付けて投入。


仕掛けが底の流れに入り反転流にへ巻かれ始めたところで目印が一瞬止まった。そして流れとは逆方向にフッと動く。

早速きた!?

軽いアワセを入れると確かな手ごたえ。
流れの中から魚影が走り、竿がクッと曲がった瞬間・・・・・・


パアーーーーーン!!


え?


手元からテンションが抜けた。
ちょ、え?まじ!?

おそるおそる竿に目をやると、見事に先端から3分の1くらいのところでポッキリ折れているではないか。

おい、ちょ~っ!!
まだおろして1投目だぞ。魚掛けたっていっても曲がりきってもいない状態だぞ。
まごうことなき初期不良。
なんてこった・・・・ってか魚は!?


折れて繊維一枚で先端側がぶら下がっている折れた箇所の先を見ると、ピンと張った道糸の先に魚が泳いでいる。
と、と、とりあえず、魚だけは獲ろう。急いで折れた箇所を引きちぎって先端側を持ち直す。

掛かった魚は意外と大きいようだ。ウグイじゃない、ヤマメだ。尺くらいあるかもしれない。

マジか。
手には悲しいくらいに短くなった竿。これじゃまるでタナゴ竿だ。
なんてこった。
竿が短すぎてタメが効かないため、全身を使って引きをかわす。

これ、あれだ。
室内釣り堀の竿。昔MVPとかにあったやつ、今はラウンドワンにあったっけ。あれは道糸が太いからいいけど、今これにつながってんのは04。どうすんだコレ。


泣きたい気持ちを抑えながらやり取りすることしばし。努力の甲斐あって相手は弱ってきたようで、水面を力なくのたうっている。

しかしここで大問題。


足場が高くて取り込めません!

抜き上げができないサイズは来ないだろとタカをくくっていたため、水面に届くようなタモは持っていない。あるのはベストにぶら下げている片手持ちのネットのみ。
このまま下流側へ移動すれば水面近くまで降りられる箇所はあるが、それでも水面までは距離がある。アシが少し生えている上に乗るだけなので、不安定なことこの上ない。無理して手を水面に伸ばせば足を滑らせて水没するか、最悪頭から川へダイブ。新日の本間のコケシみたいな感じで。
とりあえず、川に向かって張り出した木の下を枝に道糸が絡まないように注意しながら竿をくぐらせながら下流へ移動。足場はやはりダメな感じで、どうあがいても僕のリーチではネットが水面に届かない。


・・・・・・・もうこうなったら・・・・川に入るか!
どうせ濡れるかもしれないなら、こちらから行ってやろうじゃないか!

仕事帰り、足元は革靴にスラックス。一番アカン服装な気がしないでもないが、

アムロ、いきま~す。


はい、入水いった~。


膝下まで浸かった水はやはり冷たい。
川に入ってのやり取りの様子は、長い竿なら迫力があるのだろうが、折れた短い竿に長い仕掛けを付けた僕の姿はとてもけなげであり、哀愁が漂い、決して人に見られてはいけないものであることは間違いない。

ここまでしてバレたとなると、それこそ、このまま水没しているしかなくなりそうなので、慎重にタイミングをはかる。
こんなバカに付き合って相手もくたびれ果てたのだろう。弱った体を流れに乗せてすんなりとネットに収まった。




おお、カッコイイ!
こんな場所にアンタのようなのが居たとは。


尺あんじゃね~か?



30.5センチ。
あったわ、尺。水ん中入った甲斐あった(笑



ドタバタのひとときを終えて終了。最初から1尾釣ったらやめるつもりだったが、まさか同じ1尾でもこんな展開になるとは。
どうすんだよ、このズブズブの靴。

折れた竿は初期不良として早速店に持っていくとして、とりあえず家に向かう。
しかし、さすが近所。一瞬で我が家到着。
近いっていいね、靴下もグッショグショでそのまま玄関上がれねーよ。







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