クラーケン

ネオプラMASA

2012年02月22日 02:02

やっちまった・・・
念願叶ったり!
今日もミズダコ狙い。
ミズダコじゃなくてマダコが釣れちゃうかもしれないが、気持ちはミズダコ狙いってことで(^^;


今日は前回のように海は荒れてないだろうと思いながら、午前10時頃現場到着。
風波がたっているが、ウネリの影響はなく底荒れの心配はなさそうだ。
見渡すと、常連のタコ師達の姿が多い。・・・ってか、来てる釣り人のほとんどがタコ狙いじゃん。タコ熱~!でもキャスティングスタイルはオレだけだけど(笑


鉄板立ち居地が空いていたので、まずはそこに入る。
雷魚ロッドにPE10号とヘビータックルなので、ノーマルの設定だと飛距離が悲しいほど出ないのだが(20mほど)、少しでも遠くへ飛ばしたいので、キャスコンはユルユルに設定した。キャスト時のサミングに気を使うが、これで少しは飛距離が伸びた(^^)

・・・が、反応が全く無い。
近くでテンヤをブン投げていた爺さんがデカイ奴に逃げられたと嘆いていたので、期待は持てるかもとキャストを続けるが、やっぱり反応が無いもんは無い。

向こうのポイントで歓声が上がったので見てみると、ちょうどタコが取り込まれるところだった。遠目で見てもキロオーバーは確実な良型マダコだ。
タコ、動いてるじゃん、今日。

ポイントを移動。
常連のタコ師達に混じりキャストする。
爺さん達に聞くと、今日は朝から4匹釣れているとの事。
ミズダコはどうだ?と聞くと、最近になってようやく釣れ出したらしく、昨日も2匹揚がったらしい。
大きいほうで7キロ、小さい方が3キロだったとか。
どうりで今日はタコ爺さん達の活性が高いわけだ(笑


まずは海草エリアを攻める。
丹念に探ってみたが、反応がない。
位置を移動して、一番の実績ラインに立とうとしたら、テンヤの爺さんがちょうどその位置で投げるところだった。
この爺さん、以前から見ていても、動きに無駄がなく常連の中でもベテランの方なんだと思う。
大体どの人もテンヤは思い切りブン投げているのだが、この爺さんだけはポイントによって投げる距離を調整している。
今、立っている位置でも、私がキャストした時くらいの距離しか投げていない。砂地ゾーンと根のゾーンの境目を狙っているわけだが、この爺さんはむやみやたらに距離を投げて時間を消費するのではなく、効率良く攻めているわけだ。
この爺さんの次にそのライン攻めよ、と横で見ていると、爺さんの動きが止まる。
え?もしかして・・・。
爺さん、タイミングを計ってからの大アワセをくれてから見事な手際の良さでキロオーバーのマダコを仕留めてしまったじゃないの!そのタコ、オレが釣ろうと思ってたやつなのに~ Σ(゜ロ゜;)!!
ま、なにはともあれ、爺さんアッパレですわ。さすが何十年タコ釣り続けてないね (^ー°)


さて、やっぱり今日はタコが動いている。

タコが動いていれば、私のデビルエイトにコンタクトがあっても良いようなものだが、何故か今日はこないなぁ。
ちょっと自分が焦っているのが自覚できる。
テンヤの爺さんが釣り上げるところを2回見ただけに気が早っているのか。
「焦ってんじゃねぇ、オレよ。大体、お前の狙いはマダコじゃなくてミズダコだろ!?」
自分に言い聞かせて気を落ち着かせる。
昼になると、タコ爺さん達は帰ってしまい、釣り場には私一人だけとなった。
まぁ、のんびりいこうぜ。


今日は暖かい。
時々、太陽も顔を覗かせる。
通り抜けていく浜風がどこか春の気配を含んでいるかのようだ。


そんな、のどかで柔らかな空気の質感に包まれた昼の時間帯。
あと10分で午後1時になるか、という頃だったと思う。


外海側にキャストしたデビルエイト21g。白のタコベイトの上から4号サイズのラメ入りシルバーのタコベイトを重ねたもの。
シェイクしながら引いて来る途中で、グニッと押さえ込まれるような重みが乗った。アタリだ!
ロッドをそのままグイ~と立てると確かにタコ特有のグニ~とした軟体感の感触が伝わってくる。重い!
・・・が、リールを巻くと、フルロックしたドラグが滑ってラインが巻き取れない。
相手は底に張り付いているか。けど、マダコくらいなら問題なく今のアワセで引き剥がせるんだが・・・。
一度体勢をた立て直し、スプールを指で押さえてラインの出をロックしてから、もう一度グイ~ッとロッドを立てる。
すると、メリメリメリ・・・と音が聞こえたかのように、相手が底から引き剥がされる感触が手元に伝わる。
よっしゃ、浮いた!
そのままリールをゴリ巻きするが・・・重い(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
マダコの2キロクラスなんてもんじゃない。今まで味わったことのない重量感。

でかいぞ、これ・・!!。
でも雷魚ロッドとアンバサダーのパワーがグイグイと負けずに相手を寄せてきてくれる。
一体どんなやつが掛かったんだ。。!?

やがて、15m程先でそこからユラユラとなにやら浮き上がってきた。
タコには間違いない。
そして、遂に水面に相手はその姿を現す!

ミ、ミズダコや !! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w !!

そして、次の瞬間感じたこと。それは、
「なんと・・・美しい・・・」
赤黒かったり保護色だったりのマダコと違い、その水面に浮かぶミズダコは朱色がかったオレンジとでも表現すべきだろうか。
それは陽の光を浴びて、今までに見たことの無い美しさを醸し出していた。
マダコとは明らかに異質。神々しさまでをも感じてしまう。

心臓がバクバク鳴る。
今、オレの夢が目標が、目の前にいる。
と、獲らねば・・・!


抜き上げは無理と判断。身切れが心配だ。例えチャレンジしたとしても失敗したら、しばらく社会復帰できそうにない(^^;
落ち着け落ち着け、と自分に言い聞かせながら、ギャフを用意する。
しかし、あれだけ何度もギャフの出し方を練習したのに、いざ本番の段階になってカラビナに巻いたロープが上手く取り外せず、ギャフが最後まで伸びない。
しまった~、ギャフ出し、失敗だ~ (ノД`)

掛けた場所はこの釣り場でもっとも足場の高い場所。
取り込みのシミュレーションは何パターンも想定してきた。どこでどう掛けたらどう獲るか。取り込みシミュレーションの第1バージョン、その場での取り込みはギャフが上手く伸びずに失敗。
それがダメだった時の第2バージョン。数メートル移動すれば、堤防が1mほど低くなる。よって、ギャフも届くか。
慎重に段差を降りる。
タコに壁に張り付かれないよう、ロッドを持った左手は目一杯沖に向かって伸ばしたままだ。
幸い、タコのサイズはミズダコにしては小型だ。腕をしっかりと伸ばしておけば壁までタコの腕は届かないだろう。
焦るな、焦るな・・。
ギャフを手にして、伸ばす。
しかし、上手くほどけなかったロープが災いして、ギャフが伸びきっておらず、先端が回転してしまい、タコを掛けることができない・・。
クソ、失敗だ・・・マズイぞ、これ・・・。

心臓が破裂しそうだ。
フックは幸い腕の中間、バレにくい箇所に深く掛かっているようだ。無理なテンションさえ掛けなければ、現状を維持することはできそうだ。
でも、ひとつの判断ミスが即バレに繋がりそうで、それを考えると頭がクラクラしそうになる。

残る最後の最終シミュレーション。
ここは波打ち際まで引っ張っていくしかない。
そして、波打ち際の水深の浅い箇所で、わざとタコを壁か底に張り付かせる。
タコは張り付いたら、しばらくはジッとしているだろう。そこで自ら海に入ってハンドランディング。
考えていたパターンで、最もやりたくなかった最悪のパターン。しかし、どうやら今はその状況まで来てしまったようだ。
波打ち際までタコを引っ張って誘導する。
常連の爺さんに聞いてはいたが、ミズダコは掛かってからはマダコほど抵抗しない。そのおかげで比較的こちらも落ち着いていられる。
寄せ波に乗せながら波打ち際まで引っ張ってきた。
ここで、足元の壁とボトムの角に張り付かせる。
落ち着け、落ち着け。あれだけ考えに考えた取り込み方法だ。きっと上手くいく。自分に言い聞かせる。
・・・・
「よっしゃ、上手くいった!」
タコは狙いの位置に張り付いたままビクともしない。
「さぁ、そのまま待ってろよ・・!」
まずは堤防から浜まで段差を飛び降りなければいけない。
高さは1・5mほど。
「外れるなよ・・。」
一言念じてから、ロッドのテンションが変わらないように、手の角度を変えながら飛び降りる!
着地。よし、フックは外れていない。
そのまま、ラインのテンションを保ちながら、海へジャブジャブと入っていく。
水温は冷たいのだろうが、全くそれを感じる余裕なんてものはありゃしない。
タコが張り付いたところまで来ると、腰近くまで水に浸かっていた。
左手でロッドをテンションを掛けたまま持ち、右手を一気に水中に突っ込んでタコをワシ掴みにする!!
掴んだのは首根っこ。正確には頭の部分だ。
掴んだ瞬間、思い切り壁から引き剥がす!
剥がれた!!
タコを水から持ち上げ、一気に陸へと走る!


波打ち際から数メートルまで走ったところで、タコを足元に放り投げた。

「うおぉっっっしゃぁああ!!!」

思わず腹の底から声が出る。
呼吸が荒い。両膝に手を当て、肩で息をついていると、達成感と疲労がごっちゃになって全身を包み込み、思わずその場に大の字に倒れこんだ。
やった!獲った!やったぞ、オレ。獲ったぞ、やったぞ・・・
茫然とした頭で見上げる空は、雲の切れ間から青空が見えていた。



見物していたオジサンに写真を撮ってもらう。


「やったぜ!コンチクショウ!!」
酷い顔だが、自然とこうなってしまった(^^;


ミズダコ、5.1キロ。
ミズダコにしちゃ小型だが、この際、サイズはまぁいいや。
パッと見で5キロくらいかな?と思っていたが、帰宅後、計測してみると、5.1キロと我ながらいい勘してたなぁww
鮮やかな色といい、迫力はる姿形といい、ミズダコ、めっちゃカッコエエ・・ (v^ー°)


目つきが恐過ぎです・・・。
マダコの目も結構恐いが、ミズダコ様はやっぱり役者が違うようで・・・。
さすが、クラーケン!

常連の爺さんが「よかったね!」と声をかけて祝福してくれる。
素直に嬉しい。
これで少しは爺さん達にもキャスティングスタイルを認めてもらえただろうか。


燃え尽きてしまった・・。
しばらくボォ~として海を眺めたりしていたが、釣りを続ける気にはならずに今日の釣りは終了。

帰り道、海を振り返ると、数人のタコ師がテンヤの付いたロープをゆっくりと引いていた。
それは、ここの見慣れたいつもの光景。
でも何故か、今はどこか違った風景のように感じた。


「ショアからのキャスティングスタイルでミズダコを獲る」
この目標は、サイズこそ小型だったものの達成はできた。ミズダコを獲ったという事実にふつふつと喜びを感じる。
雷魚ロッドを始めとするパワータックルだからこそ獲れたと確信している。おそらくマダコ用に使っているタコラルダスでは厳しかっただろう、と思う。
これより大きなサイズになるとどうなるか・・。
それはやってみないとわからない。
おそらくは浮かせてしまえば寄せるまでは何とかなるだろう。要は浮かせるまでが出来るかどうかだし、今日のように取り込みで失敗を繰り返していたら敗北は免れないだろう。ただ、10キロクラスを狙うなら、雷魚ロッドでももっとパワータイプのものを選ぶ必要があると思う。
本気で10キロ、いや20キロクラスを狙うなら、地元の作法に習ってテンヤ手投げの古典スタイルでいくのも良いと素直に思う。
何はともあれ、ひとまず目標はクリア。
しばらく休息期間を置いてから、次の目標へ進むことにしよう。




帰宅後、タコを捌く作業が大変だった(汗
なんせデカイ。マダコの感覚でやってちゃ話にならん。
5キロでこれなんだから、10キロ20キロなんて一体どうなるんだ!?
正直、オレ、今回の1回だけで、もういいや(^^;
でも、ミズダコって初めて食べたけど、マダコとは違った特有の旨味があって、こりゃイケルなぁ!と感心してしまった。
タコしゃぶは、はっきり言ってマダコよりも旨い。
茹でると、意外と頭の部分が旨いことも驚きだった。なんかこう表現したら誤解を招きそうだが、タコとイカの旨味をいいトコ取りした感じ!?
いやぁ、ミズダコ、旨いわ~。柔らかいだけじゃね~の、なんて思っていたけど、なんのなんの、しっかり味で勝負してくるじゃないの!
でも、我が家はタコが飽和状態なので、今度釣ったらいつもお世話になってる人達へ差し上げることにしよう。
でも、そう思ったら、これまた思うように釣れなくなるんだな、釣りってやつは(笑



〈タックル〉
ロッド : OFT 雷魚70粘強
リール : AbuGarcia BLAKMAX5600C
ライン : PE10号

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