所々削られた圧雪の道路はまるでオフロードコースであり。慎重にラインどりをしながら運転していると、昔クロカン四駆で荒れた林道なんかを攻めていた頃を思い出した。当時乗っていたのはビッグホーンのイルムシャーR。ボコボコに掘れまくった林道をヒヤヒヤしながら上り詰め、眺望のきく終点で沸かしたコーヒーは最高に美味かった。
しかしここ最近の一般道もなかなか激しく、路肩に転落したりスタックしている車は毎日見る、ましてや駆るのは2駆の軽とくればそれは立派にテクニカルなコースだ。恐るべし、最強寒波@TOMAYA。
おかげで釣りにも行けずに休日は家にこもって除雪読書筋トレ飲酒のローテ。おかげでハイボール用のウイルキンソン炭酸水がいくらあっても足らん。トレーニングを終えてのプロテインを飲みながら窓の外を見る。遠慮なしにしんしんと降り積もる雪。ふと、きれた。
いい加減にしやがれこの野郎!負けてられっか!
そんなわけで次に休みは釣りに行くと決めた。
時間がかかっても釣り場にたどり着く。雪が吹きすさんでもロッドを振る。
で、今日がその休みの日である。
「わろてんか」からのあさイチをしばらく観てから用意を始める。しっかりと防寒を決めて出発。気合いに反して主要道路のガタガタ路面は除雪が済んでまことに快適。多少時間は掛かったものの労せず釣り場到着したのは午前10時過ぎ。
狙うのはマゴチ。
昨年に続き、雪の上に横たわるマゴチという思いっきり相反した季節感の写真を撮りたいのだ。コチは夏の季語でもあり、まごうことなき夏の魚。それが真白な雪の上に横たわる。これはおそらく僕が世間一般の感覚からずれているのだろうけど、このギャップありありの写真を撮れたら、それはとても幸せな達成感に満たされるのだ。
これも釣りの楽しみ。
変かもしれないけど、僕が楽しいから良いのだ(^^;
今年も目指そう、「マゴチ on the snow」
でも釣れない。
そう簡単にはいかない。
初釣りで1匹あげてから大雪になり舞台は整ったのだが、必然的な水温低下により当たり前だが魚の活性はガタ落ちで2戦連続で敗退。そう簡単にはいかんよね、そりゃ。
でも今日は少し期待している。前回前々回は水温低下から間もないタイミングだったが今日は寒波が来てから数日経ち、水温は低いものの魚はそれに慣れ始めているはず。であれば動いているのもいるんじゃね?といつものように良い方向に考える。釣りに関してはテンション上げるポジティブ思考は得意なんだ。大概テンション下げて帰ることにはなるんだけど(笑
本日最初のポイント。
ジグを投げているルアーマンが数人。サワラが釣れている。
とりわけサワラが欲しいわけではないのだが、釣れているのを目の当たりにすると口恋しくなるというかつい手が出ちゃうというか。気づいたら鉄板バイブをキャストしていた。しかしどういうわけか僕がキャストしだすと魚達は沈黙してしまい、周囲の反応もぱったりと無くなってしまった。なんてこった。いきなり横道にそれた罰だろうか。あらためて目が覚めた僕はロッドを仕舞い、そそくさとこの釣り場を後にした。
さ、マゴチ釣ろ。
2ヶ所ポイントを回って無反応。
簡単にはいかない。当然だ。
3ヶ所目のポイントへ。
主要道路は除雪が済んだとはいえ、それ以外の道路はまだガッタガタだ。ハンドルをとられながら到着。
灰色に淀んだような空を映す海の色はやはりいけすかない暗さに満ちている。
時折、気まぐれのように太陽が顔を出したかと思えば再び雪が降ってくる。
さいわい指先が凍りつくような寒さではない。足元はソレルのカリブーでじゅうぶんに温かいので、しみったれた天気に反して釣ってる本人は意外と快適だ。一般の感覚からするとじゅうぶん寒いのだろうけど。
そういえば職場でこんなやり取りがあった。
同僚に大雪の中ラッセルしながら釣りをした話をしていると、
「よく行くよな、そんな雪の中。すごいな」
「ちっともすごくないわ。じゃあお前、スキーしに行って雪が降ってるからってやめるか?」
「あ、ああ・・・・そうか・・」
「そういうことだ」
同僚は納得半分諦め半分な感じではあるが、ご理解いただけたようだ(笑
デコイSGヘッド21g&ローリングシャッドMでボトムをスローリトリーブ。2mおきにストップしてボトムをとる。で、10mおきにリフトしてアピール。前回までの釣りで、リフト&フォールはこの季節にはやはり合わないかなとあらためて実感した。しゃくりの幅、スピードを抑えても反応がない。やはりシャッドテールがぎりぎり動くスピードのスローリトリーブが合っているようだ。
テールの動きを確認するために何度か近距離をトレースしているとき、後方から魚がチェイスしてきて足元でターンして戻っていった。
クロダイだ。
思わず反応したのだろうが、魚達は明らかにこの低水温に慣れ始めているようだ。今日はベイトにも動きがあるのが見て取れる。
その後、中間距離でルアーがクッと押さえ込まれた。しかし残念ながらアワセを入れるとすっぽ抜け(涙
テールの付け根に歯型が付いている。ソゲが当たったようだ。
しかしその後は反応が続かない。
もうそろそろ撤収の時間だ。タイムリミットは午後2時。
探るペースを誤ってしまい。当初の予定範囲を時間内には全て探り終えることは出来ないようだ。まずったな~。やっぱ最初のサワラの寄り道が無駄だったな(^^;
あと10分になった時。
60m沖でフォール中にココンッ!とアタリ。
キタぁ!間違いないよ、これは!
ティップで聞いてみると重みを感じる。
確信を持ってアワセを入れる。
よし、乗った!
ロッドを立てて寄せてくる。距離があるが相手の引きが・・・・弱い(笑
重量感はあるのだが、弱い。
ドラグは元気な50ちょいのサイズであれば出るくらいに緩めてあるのだが、一向に出る気配はない。
ヘッドシェイクしているのだが、マゴチらしい突っ込みに力がない。
楽勝サイズか?変に重いのは気になるが。
そして手前まで寄ってきた相手が姿を見せた。ネットを取り外しながら確認すると、
あれ、良いサイズじゃね?
姿を見せてからの最後の抵抗はさすがに強く、途端に僕を焦らせたが、時すでに遅し。なんなくネットイン。
はいイタダキ!
大寒マゴチ、獲ったぜ~♪
今年も達成、「マゴチ on the snow」(^^)
雪似合わね~(笑
サイズは60.1センチ。めんどいからジャスト60でいいや。
写真を撮りながら思ったけど、このヒト、なんだか目つきが悪いというか、顔つきがとても怖い。
反対側から見ると違うかな、と思ったら・・・、
やっぱり怖かった(^^;
なんちゅう目してんすか。
ローリングシャッドは丸飲みだった。
低水温だけに元気がないのは当然。引きがやたらと弱かったのも納得である。
ただでさえ元気ないところに雪の上にさらされたもんだから、通常釣りあげてからはクネクネ暴れるもんだけど今日はやたらと大人しい。
寒いよね、ごめんね。
ひと段落ついて時計を見ると撤収時間を過ぎていた。
しゃあない。もう少し探りたいところだけど、きっぱり今日は終わりにしよう。
雪マゴチ写真という今年の目標をひとつクリアして上機嫌の僕は、家族にお土産だとセブンでいろいろ無駄遣いしながら帰途に就くのであった。
〈タックル〉
ロッド:G-CRAFT MIDWATER MWS-972-MLRF
リール:Daiwa CERTATE3000
ライン:Seaguar PE X8 1号
リーダー:東レ トヨフロン5号
あなたにおススメの記事