本来なら釣りも食味も夏の魚だけれど、場所を選べば冬場も充分釣りになるので、昨シーズンから僕の冬の釣りものに加わっている。
みんなが血眼になる初夏と違いポイントはガラ空き。陣取り合戦になることもないので、とてものんびりと落ち着いて釣りが出来るのが良い。
もちろんこの季節はそんなに釣れるわけではないし、海況にも左右されるが、僕の場合は本来のシーズンでもそんなに釣れるわけじゃないので問題ないのだ(^_^;)
旬の時期は照りゴチって呼ばれるけど、さしずめ今は寒ゴチってところか。
日中はマゴチ狙いで夕マズメにシーバスをひと勝負する予定で家を出る。
海に着いたのはAM10:30。曇りの予報だが時折太陽も顔を出す。快適に釣りが出来そうで、吹雪の中を根性出す展開にはならずに済みそうだ。
今日のポイントに入る前にいくつか他のポイントを見て回ることにして、そのまま車を走らせ海岸線をニシヘヒガシヘ。
どこも小アジくらいしか釣れていない中、唯一クロダイ狙いの爺さんが1人だけ10枚近くあげていた。やるもんである。聞くと今日は調子が良いらしく、いろいろ話をしてくれた。他の釣り人にも良い情報を聞いたので、今後の楽しみが増えそうだ。
釣り人同士の情報交換で、ルアーマン同士であれば釣果に直結するようなポイントの情報であったり言うなれば「話が早い」内容が主だが、餌釣りの常連爺さんたちの話もなかなか侮れないのである。まず釣り場に通う頻度が、現役世代と比べ物にならない。ほぼ日課状態で通うからポイントの地形変化やシーズナブルパターンに驚くほど精通しており、釣果直結情報とはいかずともその情報量は目を瞠るものがある。上手くコミュニケーションをとれば丁寧にいろいろ教えてくれる人が多い。ただ大抵の場合、話がやたらと長くなる傾向はあるのだが(笑
本日のポイント到着。
アウターを着こんで海に出る。
やや風が吹いてはいるものの、海況は今の季節にしては穏やかで、外海の波もさほどではない。
陽が差したり、曇ったり。重い雲が立ち込めたら雨がぱらつき、また晴れて。
劇的な変化はないが、地味に晴れ曇り雨を繰り返している今日の空。
レンジキープVR21g&ローリングシャッドをキャスト。着底後、スローに2メートルほど巻いてからフォールさせ底をとる。時々跳ね上げてアピールするも、シーズン中に比べるとかなり控えめなアクションでトレースしてくる。
少しずつ移動しながら撃っていくこと7,8投目。
トレース中に押さえつけるような重みが乗った。
根に当たったかと思ったがそれとは異なる違和感を感じ、そのままロッドを立てリールをグリグリッと巻く。
しっかりとした重みがロッドに乗り生命感が手元に伝わってきた。
よし、乗った!
時々首を振るがあまり元気のない引き。ただ手ごたえからしてマゴチであろう。
はやる気持ちを抑えながら寄せてくる。
やがて目の前に現れたのは、やはりマゴチ。茶色の魚体もさることながら、特徴的なヒョウ柄尾鰭が見えた瞬間っていつもテンションが上がるよね。なんで尾鰭だけあんなにサイケなデザインなんだろ。
ジグヘッド本体のぶっといフックががっつり上顎をいってるのが確認できたので、このまま抜き上げたろかとも思ったが、大事をとって背中のランディングネットを取り外しネットイン。
今季も出ました冬マゴチ。
サイズは50センチ。
狙って出したシーズン初物の嬉しさはやはり格別なものがあるよね(^^)
はい、イイ顔~♪
このいかつさがカッコイイし、尋常でない平たさもキャラ立ち具合が尋常でない。
実はこの冬のマゴチ釣り。いくつか有望ポイントはあるのだが、どの場所もシーズンを通してチェックを入れてきた。本来のシーズンも反応はあるのだが、フグがワームをフルボッコにしたり先行者がいたりで思うように釣りを展開できないことが多く、それらの障壁がクリアできる冬がやはりメインのポイントであるようだ。ただ季節柄、海況に影響を受けやすい時季なだけに、いつも釣りが出来るとは限らないのはほかの釣りと同じである。どっか他にいいとこないかな(^^;
本命ポイント。
なにかしら反応がある立ち位置であり、期待をこめて渾身のキャスト。
中間距離。
フォール中にコツッと小さいアタリ。
ティップを送りこむと、そのままコツコツコツッと引き込んでいく。
おお~、典型的なアタリきたぞ。
ティップを送りきったところで腰やったかと思うくらいに捻ってのスイープ大アワセ。
OK、乗った♪
先ほどのやつよりも元気の良い抵抗を見せるが如何せん軽い。
なんなく寄せてみるとアシストフックに掛かっている。
ばれそうなので横着せずにネットイン。
40センチのかわいいサイズ。
ネットインしてすぐにフックが外れた。あぶね~(;^_^A
顔つきもまだ幼さがあってカワイイね。このコはリリースだ。
いい感じで釣れてくる。
もともと数を期待するような釣りではないので、1匹釣れたらそれで良し。2匹出れば僕としては御の字である。
だからここからはのんびりと楽しもう。
やがて時間がくればシーバスを釣りに行けばいい。どちらかと言うと既にそちらの方に気持ちが傾きつつあるのだが、まだ時間は早いかな。せっかくだからもうしばらくはマゴチ探しを続けよう。
いくつかのポイントにふられながら最後のポイント。
今立っているところから横に10mがポイント。ここで出なかったらシーバス釣りに行こ。
やや陽は傾き始めている。
もう間もなく、空の色は音もなく落ちていき、しっとりと静かに青を基調とした大気が世界を支配していくだろう。
薄暮の前に。
マズメの前に。
もう、ひと勝負。
中間距離。ブレイクからはまだ沖目の位置でコンと当たった。
弱いアタリだが、まごうことなき小さくも明確なアタリ。
そのままティップを送るとコツコツと引いていく。
よしよし、きたきた!
めいっぱい送りこんでから、ひとりジャーマンの渾身大アワセ。
決まった!
いや、こんな派手に合わせなくてもいいのだろうけど、なんかそこはいきたいじゃないですか。バシコーンッと。決まった時の気持ち良さが違う。すっぽ抜けた時の放心具合も違うけど(笑
いい引きをしている。悪くない型らしいよ。
首の振りが力強い。
マゴチならではのダッシュも見せるが、そこはスマン、ドラグ強めだからライン出ないわ。設定がショアジギの時のままだった(^^;
これもアシストフックに掛かっている。心臓と胃に悪そうな緊張感のなか、無事ネットイン。
本日最大の56センチ。
ゴツゴツした顔つきも良い。オーラあるよ。
わりと肉付きも良い。
後で捌いたら胃にコアジらしきベイトが入っていた。
鰓蓋にナイフで一撃入れた後の画像なので血が付いちゃってる。
さて。
本来ならばこれからシーバス狙いに行く予定だが、帰ってから捌く作業もあるし、思いがけず予想以上の釣果があったのでとても満足している。
なら、
もういっか、今日は。
まだ色彩が残した夕暮れに向かう海沿いの道。
車を走らせながら、僕の頭の中は、次回は何を狙いに行こうかでいっぱいになっていた。
冬といえど、釣り人は忙しいのだ(笑
〈タックル〉
ロッド:Noreis FlatFishProgram ROUGH SURF88
リール:Daiwa CERTATE3000
ライン:DONPEPE1号
リーダー:東レ トヨフロン5号
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