2月1日
昨日に引き続き、立山連峰が見事な晴れ渡る空のポカポカ陽気。
これを小春日和と言うのだろうか。
こんな日が春まで続けばな~、と思わずにいられないほどの天気。富山の冬では貴重ですな、こんな日は。
昨日、初めてランニングシューズというものを買った。
ちょうど普段履きのスニーカーをもう1足欲しかったのと、某ショッピングセンターで通常価格のほぼ半額という叩き売りされていて、非常に値段が魅力だったから。あとデザインが「いかにもランニング!走るぜ!」的なものではなく、普通に履いてても、そこそこ格好良いので。
僕の周囲にはランニングに関しては本格的に取組んでいる「ランナー」と呼べるような人が何人かいて、その人達の影響もあり少しばかりランニングに興味を持っていた。
会社にも「ランニングクラブ」が新たに設立されたし、世間一般でもひとつのブームになってるんだろうなと思う。僕は「釣りクラブ」所属ですが(笑
ま~買っちゃったら嬉しくなりわすわな。そんでもって、眺めているだけじゃ飽きたらず、走りたくもなってきますわな。
で、ちょいとばかり走ってきました。
まず感じたこと。
軽い!クッション性もちょうど良く、走ってて足への負担がすごく少ない。
そして、自分がどのくらいのペースでどのくらいの距離を走れるかわからないので、適当に時計を見ながら走ってみた。
ゆっくり負荷がかからないスピードで、距離にして約7km、時間は1時間30分間、走った。まだまだ走れそうだったが、最初から無理も禁物だろうとこのくらいにしておいた。
ああ、気持ちいい~。走るってこんなに気分良いもんだったっけ。
筋肉痛も残っていないので、このくらいのペースで楽しめば、これは良い趣味になりそうだな♪
さて、マブナ釣り。
ポイントに着くと濁りも少なく、水位も低く陽射しもあるので、偏光グラス越しに水中の中が丸見え。
眺めていると、底に溜まっている魚たちの様子が良く見える。
今日のポイント、バレバレですよ。魚さん達(笑
先日見た赤い魚が今日も居た。どうやら彼は目立つから、そこに魚の群れが居るという目印になりそうだ。だったらコイツは役に立つので釣らないでおこう(笑
しばし魚達の動きを観察。
フナはかなりの良型がいて、40センチくらいありそうなやつもいる。目標のひとつに、この場所で40UPのマブナを釣るというのがあるので、必然的にテンションも上がる。
単に40UPを釣るだけなら、大場所だったり、大型の実績が高い場所に行けば確率は高いのだが、僕はあえてこの小場所の探り釣りで40UPのマブナを釣りたい。
そして、フナ達に混じり、50センチほどの鯉も数匹。丸々と太った貫禄たっぷりで格好ええ♪
あいつ釣りて~な~。
掛かったら、さぞ面白かろうに ( ̄ー ̄)
餌を付けて、鯉の鼻先にいくように仕掛けを流す。
喰わなかったが、軽く興味を持った感があったので「こりゃいけるかも」と期待を持つ。
再び流すラインを見定めていると、なにやら脇に生えている水草の中から周囲の魚達と比べても、一際大きな魚がドロン!と現れた。
・・・なんだ?あれ・・、鯉じゃないな・・・。
・・・って、ナマズじゃん Σ(゜ロ゜;)!!
うおおおお!釣りて~!!釣りて~ぞ、あいつ w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w
実はこのポイント。シーズンになれば、ジッターバグ等で狙うナマズのTOPウォーターゲームの好ポイントとなる。
水深が浅いため、TOPへの反応が頗る良いのだ。
ナマズのTOPゲームの肝は水深。結構みんな水深のあるところでやって、結果厳しかった、ってのが多いように思う。かく言う僕も昔は「ナマズ=水深のあるトロ場」の固定観念から、ポイント選びをの失敗をよくしていた(^^;
単純に見て、今見える範囲の魚達の中で一番大きい魚。そして、その魚が僕の大好きなナマズ。
これだけで、もうこいつを狙わない理由はどこにもない。
しかも、今日は2月1日。真冬ですよ。
この寒い時期に僕はナマズを釣ったことがない。3月に釣ったことはあるが、さすがに2月はない。
この時期にナマズを釣り上げる意義は僕の中では大きい。
寒鮒ならぬ寒鯉ならぬ、「寒鯰」。
しかも、今まで僕が釣ったナマズで最大サイズは大したことがなく61センチだが、多分こいつはもっと大きい。少なくとも60センチはある。
自己最大魚をのべ竿で獲るチャンス。
これは釣りたい。たまらなく、どうしようもなく、釣りたい。
実は今日は鯉用に太仕掛けを持ってきているのだが、車の中に置いたままだ。それを取りに行っている間にナマズさん、またふらりと散歩に出掛けたらたまったもんじゃない(汗
手にしているのは渓流竿に鮒用の仕掛け。ハリスは0・8号に針は金袖5号。ナマズを相手にするにはなんとも心許ない仕掛けだ。
だが、やるしかない。最盛期のナマズなら厳しいかもしれないが、今は寒さで動きも鈍っているだろう。
上手くやり取りすれば、それなりの鯉でも獲れる仕掛けだ。ハリスはへら用の良い糸を使っているから、値段相応の働きを期待して。
多分、大丈夫。いや、大丈夫。昔、この仕掛けで45センチのブラックバスも釣ったじゃないか、オレは。50センチくらいの鯉だって釣った。同じのべ竿で。大丈夫。
自分に言い聞かせる。
ナマズは周囲の鮒を軽く威嚇しながらゆったりと手前の方に寄ってきた。
威嚇された鮒は泥を巻上げて逃げまどう。
威風堂々。
エルガーの名曲が聞こえてきそうなオーラを放ちながらゆらゆらと泳いでいる。
「ヌシ」だ。
間違いない。このエリア(この釣り場はポイントごとにいくつかのエリアで区切ることができる)では、コイツがヌシだ。
おそらく泳いではいるものの、この陽射しの中、なかなか口は使わないだろう。
餌のミミズを鼻先まで持っていき、餌と認識させないと、おそらく相手にもされなさそうだ。
試しに少し外したラインを流してみたら、案の定、見向きもしなかった。
よし、狙いは鼻先だ。
シモリ仕掛け特有のゆっくりとしたフォール速度が相手に違和感を与えないはず。
流れに乗せて、相手の鼻先にミミズを持っていこうと試みるが、ゆっくりではあるが川の流れと、相手もフラリと場所を移動したりして、なかなか上手くいかない。
そうこうしているうちに、とうとう僕の足元にまで来てしまった。
もちろん、釣り始めてから魚にコチラの姿が見えないように、川縁からは離れて陣取っている。
何度目かの流しで、鼻先に餌を定位されるも、なかなか喰わない。
・・・アピールが足りないか。
針にミミズを2匹ちょん掛けにして動きのアピール増を試してみる。
慎重に・・ごく自然に・・驚かせることなく・・・。
ユラユラと餌は底をなぞりながら、相手の鼻先に到達。そこで餌を定位させる。
いや、簡単なようで難しいんですよ、これ。自画自賛じゃないけど(^^;
オモリは底に定位するか流されるかのギリギリに調整してあるし、アプローチに失敗して餌や仕掛けが相手の身体に触れてしまい、警戒感を抱かせ逃げられても困る。
フラリフラリと自然に流れきたミミズがナマズの鼻先に触れるか触れないかの位置でフッと停止させる。
流速やナマズの次の動きを読みながら竿を慎重に操作する。
集中、集中・・・。
ナマズとミミズを偏光グラス越しに凝視する。
緊張がMAXまで高まる。
フラリと相手が少し頭を動かした直後、そこにあったミミズの姿が消えた。
喰った!
アワセを入れると確かな重量感が手に伝わり、ナマズがそこかた浮き上がった。
しかし、頭をひと振りされると、あっけなく針が外れてしまった・・・。
NO~!!浅かった~ (ノД`)
ただ針がナマズの硬い口に乗っかっていただけだったんだな・・。
ナマズは身体を翻し、再び同じ位置に戻った。
でも、もう1回くるかも。いや、頼む!きてくれ!
「もう一度」に期待して再び餌を鼻先に定位させる。
逃げない。
このミミズに対しては警戒を抱いていないってことだ。
よし、いける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・喰った!!!
少し間をおく。歯の奥まで飲み込め。でもあまり深くは飲むなよ。ゼロハチのハリスじゃ、あのザラザラした歯でこすられると1発で切れてしまう。
タックルバランスそのものは、ヘラブナ釣りで言えば最強クラス。かなりのサイズの魚もこれで獲れる。
しかし、歯のないフナやコイはともかく、ナマズの場合はあのヤスリのような歯がネックだ。
・・・まだ・・・まだ・・・まだ・・・・・・
・・・・・・・・・・・・よし!いったれ!!
グンッと竿が弧を描く。
と同時にナマズのヘッドシェイクが始まった!
よっしゃ!掛かった!!
重い!
相手が走り出したタイミングに合わせて、竿を立てる。かなりのパワーだ。このままじゃハリスが飛ぶ。すかさず体を屈め竿尻を地面近くに持って行き、竿の弾力を極限までに発揮させる。
これでどうだ。竿は今持てる限りの反発力を発揮して、お前の頭を水面に出そうとしている。
お前はのたうつように頭を振って抵抗する。水面が炸裂する。そして一気に水草へ向かって突っ込みを見せる。
「ハリス・・・飛ぶなよ・・・」
願いが思わず声に出る。竿を立てて引きに耐える。それにしても重い。
再びグネングネンと抵抗をみせる。その度に竿がグイーッグイーッと引き込まれる。耐える。
次の瞬間、お前は身体を翻し、下流に向かって突進を始めた。
流れに乗って逃げる気か。
ダメだ、耐え切れない。このままじゃハリスが飛ぶ。
お前の動きに合わせて僕も竿のテンションを保ったまま移動する。
魚が向かうその先には沈んだ枯れ木がある。間違いなくお前はそこを目指して突進している。
そこに巻かれたら終わりだ。
イチかバチか。再び竿を立てて突進を強引に止める。
「止まれ~!」
耐えた。お前は突進を諦め頭を一旦上に向けた後、今度は反対の上流めがけて走り出した。底にはいろんなゴミが沈んでおり、そこに巻かれないよう、浮かせたレンジを保つように竿を立てて耐える。
水草に突っ込めば、反対に竿を降り動きを止める。下へ突っ込めば竿を立てて動きを封じる。
これが通常のナマズタックルだったらもう既に勝負はついているだろう。
しかし、今はのべ竿。リール、太い糸という有利な条件は無い。強いて言えば竿が弾力に富んでいること。硬ければ魚も相応に力を発揮するが、竿の長さと弾力性で本気の力を出す前に疲れてしまえばコチラのものだ。
掛けた後の獲るための技術。
これが試される場面の真っ只中に僕はいる。
お前はだいぶん疲れてきたはずだ。オレの方の右腕も辛くなってきた。
そら、頭を出した。さぁ、空気を吸うんだ。お、まだやるか。でも、これでどうだ。もう一度空気を吸わせたぞ。
力が出なくなってきただろう。さぁ、もう1度だ。空気を吸うんだ。
・・・オレはお前だ。
お前はオレだ・・・。
取り込み位置の水面に近い場所へ移動する。ここはドシャローで水草がはびこっており、中に突っ込まれて絡まれると厄介だが、おそらくそこまでの力はお前には残っていないはずだ。
足場で僕は腰を落とし、右手は竿を高く掲げ、左手にタモを構える。
このままタモに向かってお前は向かってくるはずだ。
しかし、最後の力を振り絞ってグネグネと水面を激しく割りながら抵抗を見せる。右手で力いっぱい竿を握りそれに耐える。
勝負!!
差し出したタモに向かって相手が寄ってくる。
しかしタモのサイズに対して相手が大きすぎるため、上手く収めなければならない。
まずは頭を収め・・・胴体を滑らせ・・・タモの角度を変えて・・・尻尾まで収まった!
よっしゃぁぁああ!!!獲ったぜ!!!
寒鯰、御用 (v^ー°)
どうだい!この頭から背中に盛り上がる筋肉の逞しさと身体の太さときたら!
嬉しさがふつふつとこみ上げてくる。
ボガグリップで持ち上げるとかなりの重量感。
何を喰っているのか、かなり太い良型だ。凄い迫力 (((((( ;゚Д゚)))))
ボガグリップ持ち歩いているフナ師もそういないと思うが(笑
正面、近影。
赤で囲んだ部分にミミズが見えるが、そこに華奢な金袖の5号がしっかりと掛かっている。太いルアーフックならともかく、この針ではココしか掛けられる場所はなかった。
針を口から外すと角度が開いていた。指で直そうとするとあっけなくポキリと折れた。危なかった。針も限界だったんだな。
やっぱ格好良いね~!ナマズって。すんごい存在感。
僕が小学校の時に淡水魚で一番釣りたかった魚でもあるから、思い入れも人一倍強いだけに喜びもひとしお(^^)
そして、何と言っても・・・この真冬という一番ナマズには厳しい時期に初めて、そしてのべ竿で獲ったことが最高に嬉しい w;゚ロ゚)w
やっぱ良い顔してるわ~。
ナマズは世界中にすごくたくさんの種類が生息しているけど、日本のナマズってこの上なくベーシックで飾らない中にも独特の雰囲気を纏った魚だと思う。
やっぱりコイツも日本の魚ですよ!
サイズは65センチ。
自己記録更新につき、俺よ、おめでとう ( ̄ー ̄)
ナマズタックルで獲ったのならそうでもないけど、真冬にのべ竿の細仕掛けという厳しい条件下で獲った特別に嬉しい魚なので、久しぶりのブツ持ち写真いっときます(笑
やったぜ!コンチクショウ!!
相手をしてくれたナマズは感謝の気持ちを込めてゆっくりと水中で体力が回復するのを待ってから、やさしく解き放ってやった。
水底に消えていくその姿は、やはり尊厳にあふれた堂々としており、僕の目にはとても眩しく映った。
日差しが優しく、暖かい。
僕をとりまく全ては、元の穏やかな風景と空気に戻っている。
しばらく水面を眺め、この上なく開放された心をじっくりと感じ取り、満たされた僕は青い空の下、再び竿を手にとった。
さ、マブナを釣ろう。今日はマブナ釣りに来たんだもんな(笑
〈タックル〉
竿:SX峰春ZOOM硬調40/44
道色:1.5号
ハリス:0.8号
針:金袖5号
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